スニーカーにとって水分は天敵。空気中の水分でソールが「加水分解」を起こし、ボロボロになったり剥がれたりしてしまうのは有名な話ですよね。スニーカー市場が過熱する昨今、レアスニーカーの寿命を延ばすべくスニーカーの密閉・除湿に気を遣っている方は多いと思いますが、正しい乾燥剤を選べている人は案外少ないようです。
あれ? その乾燥剤・・間違ってませんか?
スニーカー保管に関するYOUTUBE動画やブログ記事が数多く公開されてますので、スニーカー延命対策の基礎は広まっているかと思います。ご存じの通り、加水分解を防ぐにはスニーカー保管袋等での「密閉」と乾燥剤を利用した「除湿」を組み合わせる必要がありますが、誤ったやり方が拡散されているケースが散見されます。
今回は、除湿に焦点を当て、乾燥剤の性質や正しい商品の選び方について書いていきます。
乾燥剤の選び方、A型とB型シリカゲルの話
乾燥剤の代表格と言えばシリカゲルですよね。スニーカー保管の必需品となっています。しかし、シリカゲルには吸湿性が異なるA型とB型の2種類が存在することはあまり知られていません。
A型もB型も、それぞれ多孔質構造を持っており吸湿することには変わりありませんが、その性質には以下の違いがあります。
- A型は常温では放湿しないが、B型は放湿してしまう
- A型は低湿度から吸湿を始めるが、B型は比較的高湿度で吸湿を始める
密閉容器に入れればA型は湿度を0%まで下げることができますが、B型は湿度が低くなると一度吸収した水分を放出する性質を持っていますので0%まで下げることができません。B型は調湿タイプと言えますね。
スニーカー保管にはA型シリカゲルを使おう
つまり、スニーカー保管時にB型シリカゲルを使ってしまうと湿度を十分に下げることができず加水分解の予防効果が半減してしまいます。A型シリカゲルであれば吸湿容量が許すかぎり湿気を吸収してくれますので、より高い効果が期待できます。
A型シリカゲルだと明記されている商品を買うのが確実ですが、100均ショップ等で販売されているものには明記されてないことが多いです。簡単な見分け方ですが、「天日干しすると吸湿性が復活する」と記載があるものはB型シリカゲル(A型は100℃を超える高温にしないと放湿しないため)です。
オススメは安価な坂本石灰工業の商品
手軽に購入できて安いのは、Amazonで売っている坂本石灰工業のA型シリカゲル。大容量パックと小分けパックが売ってますが、大容量パックをお茶パックに小分けして使うと費用を抑えられます。以下に商品リンクを貼っておきます。
坂本石灰工業所 シリカゲル乾燥剤「なんでも除湿シリカゲル」20g×20個入り
Price: ¥768 (¥2 / グラム)
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この商品は吸湿度の目安となるブルーの粒(インジケーター)が入っており、それがピンクに変わるとそれ以上水分を吸わないサイン。スニーカーを保管する場合は吸湿度を示すインジケーターが入った商品を選ぶのが鉄則です。
私は、お茶パックに大さじ2杯のシリカゲルを入れて使ってます。お茶パックはお近くの薬局かスーパーでも売ってますし、Amazonでも購入できます。
最後に
シリカゲルの再利用方法
A型シリカゲルは100℃以上に加熱すると放湿する性質を持っていますので、電子レンジを使って水分を飛ばせば繰り返し使うことができます。やり方ですが、「電子レンジ600Wで1分間加熱 → 外に出して乾燥させる」を2~3回繰り返します。シリカゲルを加熱すると、放出された水分がシリカゲル表面に付いてしまい、そのまま加熱を続けるとシリカゲルが割れたり変色したりする恐れがありますので、短時間の加熱と乾燥を繰り返す必要があります。なお、乾燥させる際は、ドライヤー等で風を当てるとスムーズです。
スニーカー保管袋の選び方も重要
今回は乾燥剤に焦点を当てましたが、スニーカーを一日でも延命させるにはスニーカー保管袋の選び方も重要です。袋に入れて密閉すれば湿気が入ってこないと思っている方が多いんですが、実は密閉しても湿気を完全に防ぐことはできません。次回はこの点について触れたいと思います。